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西 宏; 衛藤 基邦; 橘 勝美; 小泉 興一; 中平 昌隆; 高橋 弘行*
Fusion Engineering and Design, 58-59, p.869 - 873, 2001/11
被引用回数:2 パーセンタイル:19.6(Nuclear Science & Technology)ITERの真空容器は2重壁構造を採用して2重壁内側からの溶接ができないため、不溶着部を有する構造となる。本研究では、ITERに採用予定の部分溶込み溶接継手について、継手や溶接金属の疲労試験より疲労特性を明らかにするとともに、有限要素法による継手部の弾塑性応力解析を行い、破壊力学的手法を用いた疲労寿命の予測を行った。得られた結論は以下の通りである。(1)不溶着部はき裂と同様な挙動を示し、溶接継手の疲労寿命の大部分はき裂伝播寿命であった。(2)継手の疲労き裂伝播速度はき裂発生時に加速する。これは不溶着部を切欠きと考えたときの切欠き効果と考えられる。(3)溶金のき裂伝播速度から破壊力学的手法を用いて継手の疲労寿命を予測できる。(4)不溶着部の長さが短くても不溶着部は継手の疲労強度を大きく低下させる。
石井 敏満; 深谷 清; 西山 裕孝; 鈴木 雅秀; 衛藤 基邦; 近江 正男; 三村 英明; 大岡 紀一
JAERI-Research 96-028, 33 Pages, 1996/06
HTTR圧力容器用21/4Cr-1Mo鋼の照射後疲労試験を実施し、疲労寿命及び繰り返し軟化挙動に与える中性子照射の影響を調べた。試験は大洗ホットラボ施設に設置された照射後疲労試験装置を用いて、真空中450C、歪み速度0.1%/s、制御歪み範囲0.75~1.5%で行った。主要な結果は次の通りである。1)210n/cm(1MeV)以上の中性子照射量を受けた材料では、繰返し疲労試験初期の最大応力が増大した。2)照射材と未照射材の繰返し軟化挙動に顕著な差はなかった。3)照射により延性が低下した材料では、未照射材に比べて疲労寿命が僅かに減少した。4)HTTR圧力容器における設計上の中性子照射量では、疲労寿命と繰返し軟化挙動に与える照射の影響はないものと考えられる。
石山 新太郎; 衛藤 基邦
Carbon, 34(8), p.967 - 974, 1996/00
被引用回数:4 パーセンタイル:27.2(Chemistry, Physical)高温ガス炉用微粒等方性黒鉛IG-110の累積疲労損傷を評価するため、応力を高レベルから低レベル、または低レベルから高レベルに変動させた場合の疲労寿命評価を試験的に行った。その結果、両者とも前の応力履歴が2段目の応力履歴に影響を与え、おのおの独立に材料に作用する際の寿命より短い値が得られた。実験結果からこの疲労相互作用を考慮することにより、段階的に応力が変化する場合の疲労寿命の推定の行える評価式を提案した。
西 宏; 荒木 俊光*
日本機械学会論文集,A, 61(584), p.711 - 716, 1995/04
アルミナ分散強化銅と316ステンレス鋼の拡散接合を行い、さらにそれらの低サイクル疲労試験をし、疲労特性を明らかにした。(1)接合材の分散強化銅の界面近傍には金属間化合物が生成し、分散強化銅は再結晶する。(2)低サイクル疲労寿命は316ステンレス鋼が最も長く、接合材が短かった。接合材と分散強化銅を比較すると、接合材の寿命が短く、その寿命差は低ひずみ範囲になるほど大きくなった。(3)316ステンレス鋼は分散強化銅より加工硬化が大きかった。(4)接合材の疲労破断箇所は高ひずみ範囲では、接合面より6~7mm離れた分散強化銅部で、これは316ステンレス鋼から変形が拘束され、塑性ひずみが大きくなったためと考えられる。低ひずみ範囲では界面近傍の分散強化銅部より破壊し、破面はディンプル破面で金属間化合物が見られた。
石山 新太郎; 深谷 清; 衛藤 基邦; 秋場 真人
Fitness-For-Service and Dicisions for Petroleum and Chemical Equipment (PVP-Vol. 315), 6 Pages, 1995/00
核融合炉ダイバータ冷却構造体材料として有力な3種類の銅合金、無酸素銅、アルミナ分散銅、W/Cuコンポジット材の高温強度試験及び高温疲労試験を行い、それぞれの特性を比較検討した。その結果(1)高温強度は、室温から500CまでW/Cuアルミナ分散銅(DSC)無酸素銅(OFHC)の順で高く、OFHCについては400C以上で再結晶化による急激な強度の低下が見られた。(2)高温疲労寿命はW/CuDSCOFHCの順で室温で長く、400C以上では、OFHCに再結晶化による短寿命化が見られた。この温度での寿命はOFHCE/CuDSCであった。高温強度が高いW/Cuの室温での寿命がOFHCやDSCに比べて短いのは、ヤング率がW/Cuの場合他の材料と比べて高くこのため同ひずみ振幅における疲労試験中に発生する応力が他の材料に比べて高くなるためである。
荒井 長利
日本機械学会第8回計算力学講演会講演論文集, 0, p.65 - 66, 1995/00
エンジニアリングセラミックス系材料は一般に多孔質の多結晶体である。このマイクロないしメソスケールの気孔の存在が材料の熱的、機械的性質に重大な影響を及ぼす。本研究では、黒鉛材の疲労現象において、単純引張り負荷に比較して、引張り/圧縮の両振り負荷で疲労寿命が短縮する挙動を採り上げた。その原因を、潜在き裂に圧縮応力が作用する時のマイクロメカニクス計算により考察した。Horiiらの基本理論に準拠し、原子炉用黒鉛PGXの強度、破壊力学的性質を適用した。計算では、圧縮応力下において潜在微視き裂から発生する2次き裂(モードI型の引張りき裂)の発生とその先端応力拡大係数を評価した。この結果、マイクロクラックに特有の破壊力学特性から、実験での圧縮応力レベルでも、き裂の成長が起こりうること、そして、これらの無数の2次き裂の存在が、両振り応力サイクル下での主き裂の伝播を加速することになる、と考えられる。
西 宏; 荒木 俊光*
JAERI-Research 94-035, 12 Pages, 1994/11
アルミナ分散強化銅、316ステンレス鋼および両材の拡散接合材の低サイクル疲労試験を室温で行った。また疲労中の接合材の塑性ひずみ分布を測定した。さらに接合界面近傍の組織と疲労後の破面を透過形、走査型電子顕微鏡で観察した。接合材の低サイクル疲労寿命はアルミナ分散強化銅に比べ低下した。接合材の疲労破断箇所は、低ひずみ範囲では接合界面近傍のアルミナ分散強化銅部であった。組織観察の結果、この部分には金属間化合物や再結晶等の欠陥が存在し、これらから破壊したと考えられる。一方高ひずみ範囲では、界面より6~7mm離れたアルミナ分散強化銅部で破壊した。塑性ひずみ分布を測定した結果、この部分の塑性ひずみは大きく、界面部の変形が316ステンレス鋼より拘束されるためと考えられる。
古川 智弘; 小峰 龍司; 吉田 英一; 和田 雄作
PNC TN9410 93-042, 56 Pages, 1993/02
現在、FBR大型炉一体貫流型蒸気発生器に適用が予定されているMOD.9CR-1MO 鋼について、基本材料特性を把握するために大気中高温低サイクル疲労試験を実施した。試験は、製品形状の異なる3鋼種(伝熱管相当板12MMT 、鋼板25MMT 、鍛鋼品250MMT) について、試験温度(0650 ) 、ひずみ範囲(0.41.2 %) 、試験片採取位置および方向をパラメータにした。得られた試験結果は、以下の通りである。1)MOD.9CR-1MO 鋼は、「もんじゅ」SGに適用された2.25CR-1MO鋼と同様、初期時に若干応力が増大するが繰り返しに伴い応力が低下する傾向が認められ、いわゆる繰り返し軟化挙動を示した。2)低サイクル領域での疲労強度は、現行暫定基準が採用されている「もんじゅ」材料強度基準の2.25CR-1MO鋼の最適疲労線図より、十分に優れた強度を有しており、SUS304に匹敵するものであった。また、同じ9CR系鋼である9CR2MO鋼、低C-9CR-1MO-NB-V鋼と比較しても、低ひずみ領域で優れた疲労強度を有していることがわかった。3)鍛鋼品の寿命にばらつきが発生した。採取位置および採取方向の影響の有無を調べた結果、明瞭な特性の差異は認められず、バラツキの範囲として整理できるものであった。以上、本試験によりMOD.9CR-1MO 鋼の鋼板および鍛鋼品の大気中疲労特性を把握することができた。これらのデータは、平成4年度の暫定的な設計疲労線図の改定および強度評価手法の高度化に反映された。
石山 新太郎; 奥 達雄; 藤崎 勝夫; 衛藤 基邦
日本原子力学会誌, 29(11), p.1014 - 1022, 1987/11
被引用回数:2 パーセンタイル:29.75(Nuclear Science & Technology)多目的高温ガス実験炉炉心構造材としての微粒等方性黒鉛IG-110の形状の異なる三種類のリング状試験片を用いて、未照射材及び照射材の静的強度試験及び疲労試験を行なった。その結果、静的リング圧縮強さは三種類のリング試験片でそれぞれ異なり大きさの順に小中大であった。また、575~650C、1.9210~3.2010n/cmで照射した照射材のリング圧縮強さは未照射材に対して約20%の増加を示した。また、同照射条件下において照射材の疲労寿命曲線(S-N曲線)は未照射材の疲労寿命曲線と照射による静的強度の変化を用いて予測できることが分った。
西 宏; 奥 達雄; 古平 恒夫
日本原子力学会誌, 29(10), p.929 - 938, 1987/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)粉末冶金モリブデンの低サイクル疲労強度に及ぼす炭化チタン被覆の影響を調べるため、炭化チタン被膜モリブデンと無被覆モリブデン材の低サイクル疲労試験を高温、高真空中で実施し、SEMによる破面、き裂の観測からその低サイクル疲労挙動を検討した。無被覆モリブデンの低サイクル疲労破壊は室温では最大引張り応力方向に脆性的に破壊するが、高温では最大せん断応力方向に延性破壊する。TiC被覆をすると773kでは疲労寿命は低下する。これはTiC被覆層にき裂が発生し、切欠き効果によりモリブデンに伝播していくためである。しかし1073kではTiC被覆層がモリブデン母材のすべり変形を拘束するため、TiC被覆をすると低サイクル疲労寿命が増加する。
西 宏; 奥 達雄; 古平 恒夫; 菊山 紀彦
JAERI-M 85-144, 27 Pages, 1985/09
現在原研で実験運転が行われているJT-60では、固定リミタ、磁気リミタ等にTiCを被覆した粉末冶金モリプチンが使用されている。本報告は粉末冶金モリブテンの低サイクル疲労特性及びそれに及ほすTiC被覆の影響について述べた。低サイクル疲労試験は室温と500Cで実験し、破面観察、き裂の観察、元素分析等から低サイクル疲労挙動を考察した。TiCを被覆した場合500Cでは疲労寿命が低下する。
西尾 敏; 杉原 正芳
Nucl.Eng.Des./Fusion, 3, p.59 - 62, 1985/00
被引用回数:1 パーセンタイル:24.15(Nuclear Science & Technology)低域混成波を用いて密度の低いプラズマの電流を駆動する、いわゆる準定常運転シナリオをトカマク炉に導入した場合、トロイダル磁場コイルに作用する転倒力による応力振幅が従来のパルス運転にくらべて大幅に低減されることが明らかとなった。特に、非円形ダイバータプラズマにおいて、電流が同じであるとすると平衡コイルに必要な電流は高時より低時の方が大きいので、変流器コイルの再充電時のプラズマ電流を適当な値に設定することによって応力振幅の低減はさらに著しくなる。
西口 磯春; 武藤 康; 辻 宏和
JAERI-M 83-224, 40 Pages, 1983/12
現在計画中の多目的高温ガス実験炉のような高温構造物の設計においては、疲労あるいはクリープ疲労による破損を防止することが要件の一つとなっている。設計基準の中ではこれらの破損を防止するために設計疲労曲線を用いた評価法が適用されるが、本報告は実験炉での使用が予定されているハステロイ-X(-XR)の設計疲労曲線について検討を加えたものである。ハステロイ-X(-XR)の文献疲労データ(一部は未発表データ)について検討した結果、全ひずみ範囲tを独立変数とし、破損繰返し数Nfに対してlog(log Nf)の変換を用いたBrinkmanらの式が適しているとの結論を得た。